やぁ。thflareです。
この時期の中2の理科、大気圧や圧力を扱う分野がありますね。
2年の地学分野では、この気圧に加えて飽和水蒸気量もあります。計算問題がそこそこあることになるので、授業でも問題演習の時間はとりたいところ。
となると、実験は簡単にサクッと終わらせたいですね。
そこで、今回は驚きを与えつつ、簡単に大気圧の力を感じる実験を紹介します!
大気圧とは?

「大気圧と気圧との違いってなんですか?」
使い分けを意識せずに話していてこんなことを聞かれました。
(たぶんそんなことになるのは僕くらいでしょうが。)
「大気圧」とは、地球などの惑星の表面にある大気によって発生する圧力です。
対して、「気圧」は気体によって発生する圧力を指します。
なので、「大気圧」とは「気圧」の一種なんですね。
使い分けなくてもなんとなくで伝わってしまうので、意外と意識してないこともありそうなので気をつけたいところ(自戒)
下敷きで大気圧を感じよう!
自戒を挟んで申し訳ありません、ここから本編です。
必要なもの
- 下敷き
- ガムテープ(なければフックがついている吸盤など)
- きれいな平面
下敷きのサイズはなんでも大丈夫です。
ただ、後々に空気による力の計算をする時に、大きい下敷きの方が結果が派手になっていいかもしれません。
下敷きの実験では、わりと吸盤を貼り付けているものが多いですが、今回はガムテープを使用しています。下敷きにガムテープを貼り付けて持ち上げるための取っ手をつけてあげます。このとき、ガチガチに補強した見た目にしてあるとgood !
また、きれいな平面に関しては必須ですが、理科室の机であれば基本大丈夫でしょう。
Let’s 実験!
この実験で驚きを生み出す肝は、「軽い下敷きを持ち上げられない」というところです。
そりゃみんながひょいひょい持っている下敷きを持てなかったら「えっ!?」ってなりますよね。
ここではその驚きを出すために、下敷きの渡し方に工夫をします。
下準備
ささっと計算に行きたいので帰納的にやります。ということで、先に大気圧についての説明をしておきます。
教科書の内容だと、「空気の質量に加わる重力によって生じる圧力」という内容で説明されています。
黒板に物体に加わる力を図示して説明しましょう。

しかし、それだけだと空気の重さについてあまり実感が湧きません。
そこで、「下敷きをつかって体感しよう」という感じにさらっと下敷きを使っていきます。
下敷き渡してみる
最初は女の子に下敷きをそのまま手渡して「あれ?全然持てる?」とか「余裕で持ててるじゃん」とか言いながら、回っていきましょう。
そして何人かに渡して「あれ?意外とみんな持てるねぇ…」といいつつ男子の前に下敷きを置いてあげます。
そうするとその男子は下敷きを持ち上げようとしますが、ガムテープの取っ手を引っ張っても持ち上がりません。
そうすると、本人も持てると思っているし、周りもさっきまで持っていたものが持ち上がらないから、驚きが出てきます。
このとき、取っ手にガムテープを使っていると、引っ張る時にガムテープが剥がれて、力をどれくらい加えているかが分かりやすくなります。
計算へ
さて、これで下敷きが机の上に置いてあるときの力をあらためて図示してあげます。

こうすると、空気の重さで上から押されているから、下敷きが持ち上げられなかったんだとわかります。
そして、ここから実際にどれくらいの力で押されているのか計算で求めてみます。
圧力の説明をして公式を扱い、今の下敷きの面積や大気圧の大きさから空気による力の大きさを求めます。
計算しやすくするのであれば、大気圧はおよそ1000hPaで計算しましょう。
下敷きの大きさを18cm×25cmとすると(サイズは適当です)、およそ450kgぶんの重さがあるというようになります。
これだけの重力がはたらいていたと知るだけでも、大きな驚きになりますね。
実際はそこまでの力ははたらいていない
計算ではかなりの大きさの値になります。
しかし、実際に下敷きを持ち上げようとすると、結構力を入れないといけませんが、机から取れないことはありません。
計算をした後に「そこまで大きくないはずだ」というような声がでることもあります。
僕の授業でも、男の子が頑張って机から引き剥がしていたのでそういう声は出ました。
しかし、さっきの計算の結果は、あくまで「下敷きの下に空気が入るスペースがなく、真空状態になっている」ことが前提です。
実際の実験では、机や下敷きの表面は滑らかではなく、空気は入り込んでしまっているので、その分大気圧ははたらいてしまっています。そこには注意しておきましょう。
まとめ
今回の実験は、身近なもので「持てると思っていたものが持てなかった」という予想の裏切りを作ってあげて、学習につなげています。
理科では、そういった予想を裏切るような結果から興味や関心が生まれてきやすいです。
このような予想を裏切るような実験や問いかけができるようになっていきたいものです。
また、このような実験ネタがあれば記事にしていきたいと思います。
それでは。
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